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山背古道お茶探検隊・活動日誌

品種茶を愉しむ

このサイトをご覧頂いている皆さんは、日本茶のほとんどが「やぶきた」という品種で作られている事をご存じと思います。「やぶきた」は静岡県の在来実生種から選抜された品種で、品質が良く収穫量が高い事から全国に広まっています。耕作面積のシェアーは1996年の統計で75%、在来種をのぞいた品種茶の茶園では85%を越えています。※1

紅茶や中国茶では、産地や品種ごとのストレート茶やそれらをブレンドしたお茶がポピュラーですが、日本茶となると、煎茶、玉露、被せ茶等生産方法や製茶法の違いによるバリエーションがあるものの茶の品種は消費者に見えてきません。勿論、名のあるお茶屋さんは各地の茶園で出来たお茶をブレンドして店の味を作っておられます。

品種茶をストレートで味わってみよう、という試みはお茶好き方々の中で密かに広まりつつあるようですが、インターネットの普及により、生産者と消費者が直に繋がる機会が増えた事で、私どものような普通のお茶好きにもその機会が巡ってくるようになりました。

挿し木による品種の開発
 元来、日本の茶園は実生(種から茶樹を育てる)で造園していました。茶は自家不和合成(自家受精しない)であるため結実する種子は遺伝的に雑ぱくで、形質が不揃いな茶園ができあがってしまいます。ちなみに古背茶園も実生の茶園であるため、見事に1本1本違った茶樹になっています。
 明治末期に「取り木」「挿し木」が考案され、昭和初期には「挿し木」の技術が普及し始め、効率の良い茶園造成が可能となり、さらには実生種から選抜して特定品種の茶園を作る事が可能となったのです。

 

さて、ネット通販で手に入る品種茶を集めてみました。現在(2001年9月)は新茶の時期では、ありませんので在庫の有無は、各サイトにてご確認ください。まずは、茶園面積の多い茶を掲載。


ゆたかみどり
 「あさつゆ実生選抜」鹿児島を中心にやぶきたに以外の品種茶では最右翼。 
早生種で樹勢も強く生育もよいので多収の品種だが、耐寒性に弱点あり。
     丸美園さん  http://www.jin.ne.jp/tea/   鹿児島ゆたかみどり
     Chamiseさんhttp://mpn.cjn.or.jp/mpn/contents/00001774/page/cp_top.html

かなやみどり
 静岡県在来種×やぶきた中晩生種で煎茶として品質良好。摘採期は遅い。
     私のお茶.com Yahoo!店さん
                     http://store.yahoo.co.jp/yunoha/050101024.html
      (2005.12.4現在は品切れ)

さやまかおり
 やぶきたの自然交雑実生から選抜したもの。煎茶として内質は香気が強く良好である。
     Chamiseさんhttp://mpn.cjn.or.jp/mpn/contents/00001774/page/cp_top.html

おくみどり
 やぶきた×静岡在来種。晩生種で樹姿中間,樹勢が強い。煎茶としての外観が緑色で形もよく,内質はやぶきたと同程度。
    Chamiseさんhttp://mpn.cjn.or.jp/mpn/contents/00001774/page/cp_top.html

あさつゆ
 宇治種の実生中から選抜したもの。緑茶特に煎茶として品質優秀で天然玉露の名がある
    丸美園さん  http://www.jin.ne.jp/tea/       静岡県牧の原あさつゆ

ふくみどり
 やぶきた×(さやまみどり×やぶきた)中生種。樹姿は直立である煎茶品質は‘やぶきた’と同等である。適地は関東,東海,近畿等の山間冷涼地。
     日本茶通販秋山園さんhttp://www.rakuten.co.jp/akiyamaen/434764/530362/

ここまでの品種は、比較的耕作面積も多く、記載したお店以外にも取り扱っているところが多いようである。

藤かおり
 参考文献にあげた、緑茶最前線で紹介されている21世紀の新品種。ほとんどマニアックなお茶なので、とても手に入らないのかと思っていたら、緑碧茶園の通販で上がっていました。ちなみに、緑碧茶園はレシピエの東洋のお茶専門店(お茶というのは紅茶も含め東洋のものと思うのですが)日本茶の品種茶にも力を入れているようで動向が楽しみなお店です。
 2005.12.5現在、 緑碧茶園はレピシエと統合されて「ルピシア」になっています(ややこしい(^^;日本茶の品種茶は継続して扱っていますが、藤かおりは置いていないようです
     山本農園さん  http://www.yamamoto-nouen.com/ichiran.htm
       (藤枝かおりという商品名で販売されていました)

 品種茶の調査をしているうちに、なんとネット闘茶というものを発見。是非参加したいと思っております。
     日本闘茶協会   http://www.meiyo.co.jp/jtma/home.html
     お茶探検隊の闘茶(茶歌舞伎)
                http://www6.plala.or.jp/cha/backno.htm

参考文献
※1 野菜茶業研究所 金谷茶業研究拠点 http://www.tea.affrc.go.jp/l
                                  ホームページtopのアドレスです
    株式会社静岡茶通信販売センター  http://www.jin.ne.jp/cha/
    緑茶最前線   波多野公介  京都書院アーツコレクション                

波多野さんの著書では「おいしいお茶がのみたい」PHP研究所が、よくあげられるが、2001年9月現在、主要な書店では品切れ状態

       


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