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山背古道お茶探検隊・活動日誌

独断お茶分類

日本でお茶というと一義的には緑茶を指しますが、その外に紅茶、中国茶(ウーロン茶)などというのもポピュラーに飲まれています。

ところで、緑茶(日本茶)、紅茶、中国茶は皆同じ種類のお茶の葉から出来上がる事はご存知でしょうか。皆、カメリア・シネンシスというツバキ属の植物の葉を加工してできるのです。(紅茶については同じ属のカメリア・アッサムカの葉から作られるものが今では主流のようですが)

もちろん、同じバラの木でもいろんな種類があるように
、それぞれに適したお茶の品種はあります。でも、日本茶に適している我が古背茶園の茶の葉でも紅茶は出来るんです

では、日本茶、紅茶、中国茶はそれぞれ何が違うのでしょうか。

お茶の葉は、酸化酵素を持っています。茶の葉を摘んで時間が経つと酸化酵素による発酵が進み、茶葉は茶色くなってきます。日本茶(緑茶)の場合、葉が茶色くならないように茶摘の後直ちに熱を加え、酵素を殺してしまいます。

これに対し、紅茶は酵素を殺さず発酵を進めてから乾燥させます。烏龍茶に代表される青茶系の中国茶は適度に発酵を進めてから酵素を殺し製品にします。

こうした発酵をコントロールする製法上の違いからお茶を分類したのが下の表です。

この表は周達生先生が書かれた「中国茶の世界」(保育社カラーブックス)の記述を元に、他の文献から得た知識と私の独断を加えて作成いたしました。

殺青から始めるもの 緑茶 炒青 龍井,碧螺春,嬉野,青柳
キョウ?青 黄山毛峰
晒青 てん青
蒸青 玉露 宇治,恩思
かぶせ茶
煎茶 静岡
番茶
黄茶 君山銀針
黒茶 プーアル,高知碁石茶
萎凋から始めるもの 白茶 白亳銀針,八女?
青茶 包種茶系 文山
烏龍茶系 凍頂
鉄観音系 安渓
紅茶 工夫 祁門
小種 ラプサンスーチョン
紅碎 葉茶 ダージリン
碎茶 ウヴァ,ジャワ
片茶
末茶 ケニア
再加工茶 花茶 茉莉花茶
抹茶
ほうじ茶
緊圧茶 餅茶,磚茶,

分類の基本は、中国茶の緑、白、黄、青、紅、黒を基本としました。

殺青から始めるものと萎凋から始めるものという大分類は「中国喫茶文化史」(布目潮ふう著 岩波書店同時代ライブラリー)にて教えていただきました。

おもな独断部分は緑茶を日本茶の製法により細分類したこと、青茶を3分類したこと、紅茶の紅碎を中国紅茶以外の紅茶の品種に当てはめたことなどです。各分類の代表茶銘も独断の部分も多いかと思います。ご意見、ご批評のメールお待ちしています。


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