インパク
山背古道お茶探検隊・活動日誌

チャイ&バター茶(98年9月6日)

古背茶園はさすがに最盛期ですごい雑草。先月あんなにやったのに。農園の方も栗拾いで大賑わい。雨が心配少々心配です。

今回は、チャイとバター茶に挑戦。バターも自分達で作ってしまえと村田農園主の先輩がやっている牧場に遠征します。

茶園はいよいよ本格的に整備していこうという訳で、林屋顧問の整備計画に従い、今月は木炭撒きと骨粉を施肥。

茶園整備を済ませ、クローバー牧場へ車7台のコンボイで移動。

雨が本降りになり、牧場で待っていてくれた松本さん、大原さんは晴れていたら、あの大きな樹の下で気持ちよくできたんだけれど、と残念そう。

茶園の定点観測
定点観測

茶の木の様子
茶の樹の生育も順調

有機肥料と木炭を撒く
木炭、骨粉など散布

クローバー牧場の牛
クローバー牧場

固形茶とチャイ用のお茶
今月のお茶

大原社長とバター製造器
講師の大原社長

固形分を分離させた牛乳
分離が完了
 

固形分に塩を加えてボウルで攪拌


仕上げは塩を加えます
バター茶の説明をする安藤隊長
安藤隊長のお茶教室
チャイを作る安藤隊長
チャイは煮こぼさないように
バターの試飲
ちょっとバターが少ないかな

当初、バターも完全手作りと考えていたのですが、そんなことをしていたら日が暮れてしまうよ、松本牧場主。下準備はすでに済ませていただいており、後はスイッチを入れるのみ。まずは機械を動かし、それを眺めつつクローバー牧場で作られる特別牛乳について説明を受けました。パックの牛乳の成分表示の所に、普通の牛乳だと、種類として「牛乳」だとか「加工乳」だとかありますが、ここでは「特別牛乳」となっています。全国でもクローバー牧場のみが許されているそうです。

ひたすら振動する機械を見つめつつ待つこと小1時間。固形分が分離されて無塩バターの完成です。あれ、色が白いんですが。白い牛乳からできるものは白いでしょうが。固形分が抜けたあとの残りはバターミルクというそうで、これがまた美味。なるほど。味は少しさっぱり系。脱脂粉乳(前工程で遠心分離機にかけ脱脂粉乳ができているそうです)、バターミルク、バターと成分を分解していってもそれぞれが美味しい牛乳の不思議。しかし、すこしバターとは味が違うような。

バターに塩を加えることで、浸透圧を利用して、バターから水分を追い出す。随分塩を入れて塩辛くないのか?大部分は水といっしょに出ていくので大丈夫。食べてみると、やはり少し塩分がきついような。でも、味はまさしく食べなれたバターの味に。バターの味は塩味だったということがわかりました。この後、冷蔵庫にいれて冷やすと更に水分が抜けるとの事ですので、塩分も抜けていくのでしょう。

で、バターづくり大成功の後、お茶探検のメインテーマ。チャイ作り。安藤隊長によるプレゼンテーション。喫茶店などではこのように作ります、と水の分量などの解説付で、クローバ牧場の特別牛乳でチャイづくり。

さらに、バター茶に挑戦。実は、誰もバター茶の作り方など知らない。いろいろ事前に調べてみたけれど、諸説紛々でなにが本当やら。とりあえず、中国茶(黒茶、または紅茶)を煮出して、塩とバターを混ぜて攪拌するというとらしいので、味は保証できないものの実験。茶葉は、安藤隊長が「京はやしや」から拝借してきた雲南省の竹筒いり黒茶とモンゴルから福岡の大学に留学されているから送っていただいた「茯磚」という湖南省の黒茶。すこし柔らか目の「茯磚」を使って見ました。これを煮出して塩(天然志向で赤穂の荒塩)、バターを加えてみます。

これがバター茶か。宮口さんがバター茶を飲んだ経験があるとは言うものの、それもかなり怪しげな作り方をしていたのでなんとも言えない。すこし味が物足りなくバターを更に加えてみるとなんとなくそれらしい味に。これがチベットモンゴルの味か、と一同納得。これ、成功ということでHPに乗せるの?と、安藤隊長。もちろんでございます。今回も、大成功の内にお開きとなりました。

厳密に言うと、チベットで飲まれているのは四川省産の「康磚」、雲南省産の「だ茶」ということになるそうです。(周達生著 中国茶の世界)バターについてもヤギだのヤクだのの乳から作ったもの、という話もあります。さらには、お茶を攪拌するのに「ドンモ」という器具を使うとか。

ところで、バター茶ですが、結局のところ塩入りのミルクティと言うことでしょうか。成分から言うと。

 

今回は、チャイ、バター茶という日本ではあまり定番ではないお茶の楽しみ方を追求したためインターネットで知り合った方々の人脈を使いいろんな方に物心両方の支援をいただきました。中でも、モンゴルから留学されているトウシンバットさんからは日本では手に入りにくい「茯磚」というお茶を分けていただきました。改めて御礼申し上げます。トウシンバットさんからは、お国でのバターの作り方なども教えていただきましたので紹介させていただきます。

モンゴル式バターの作り方

 

クローバー牧場さんには、お忙しいなか松本理事長をはじめ皆様いお世話をおかけいたしました。また、有限会社フジシーケンスサービスの大原社長にはわざわざ甲賀町から出張っていただきバターづくりの指導をいただき、ともどもにありがとうございました。特別牛乳ってなに、という方むけにクローバー牧場で作られる「京都の特別牛乳」を紹介させていただきます。

特別牛乳は何が特別か


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