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山背古道お茶探検隊・活動日誌

茶の木染め(00年11月5日)


お茶探検発足当時からの懸案であったお茶の草木染め、由井隊員の尽力により、漸く実施の運びとなりました。

講師は、奈良で草木染めの制作をされている寺川さん(実は由井隊員のお姉さん)。先ずは茶葉採取。晩狩りをかねて枝ごとばっさりと刈りました。

持ち帰った茶葉のついた枝はなるべく細かくカット。染める布は重量を量っておきます。染料となる茶葉は布の4倍の量を用意。

染める布は、今回は絹。油やヨゴレ等を落とすためにあらかじめ沸騰したお湯に5分つけます。(水が沸騰したら火を緩めぼこぼこ煮立たないようにします)

茶葉はひたひたの水で煮出します。沸騰後20分が煮出す目安。

媒染は、みょうばんと硫化鉄を用意しました。どんな色に染まるかは、お茶の木は初めてなのでやってみないとわからないとか。硫化鉄を使う場合は取り扱いに注意。必ずゴム手袋で扱うとのこと。自然派なら椿の灰を使うことも可能だそうです。媒染剤の量は布の2〜3%。バケツに入れて水に溶かします。
準備
煮出し用に小さくカット
煮出した茶の木
染め液の煮出し
布の準備
この布を染めます
煮出し液を濾す作業
煮出した染め液を濾す
煮出した茶葉
茶葉は再利用可
さて、ここで基本工程
染料煮出し 沸騰後20分

煮染め10分

放冷

水洗

媒染20分

水洗

煮染め10分

放冷

よく水洗

干す
みょうばん媒染液
媒染液作成
煮出し液に布を浸す
煮染め1回目
みょうばん液に布を浸す
みょうばんによる媒染
ある程度染まった布を煮出し液に入れる
煮染め2回目
煮汁を濾して、染液完成。媒染後にみょうばんと鉄が混ざるといけないので、煮染めの鍋も二つ用意しました。

部分染めをしたい場合は、染め残したい部分を糸で縛ります。

煮染め1回目。布を浸して鍋を火にかけます。煮汁が沸騰してから10分煮ます。液がぐつぐつ煮立たないように火加減に注意。

鍋から出した布を冷やしてから、水洗い。その後、媒染のバケツに。ここで色の変化にビックリ。みょうばんにつけた物は黄色に、鉄媒染はなんと青紫に染まります。20分媒染液につけてから水洗い。この間の作業は必ずゴム手袋をつけて行います。

更に染料に入れて2回目の煮染。鍋はみょうばん媒染した物と鉄媒染した物を分けます。煮染めは液が沸騰してから15分。煮染が終わったら放冷し水洗い。ここで終わる場合は、念入りに水洗いして干します。

色を深く染めたい場合は再度媒染工程を繰り返します。左の写真はみょうばんで媒染した布を部分的に鉄媒染しています。一部を糸で縛ることで模様をつけることも出来ます。

鉄媒染で染め分けた布を3回目の煮染めにかけるときは、みょうばんで染めた部分が浸からないように注意。手が疲れます。

まだまだ、媒染・煮染めを繰り返すことも可能ですが、今回は時間の都合で3回目の煮染めで終了。

模様をつけるために仕付けた糸を解きます。思わぬ模様がついて世界に2枚と無い染め物が出来上がりました。


鉄媒染の様子
こちらは鉄媒染
みょうばん媒染した布を鉄媒染で染め分ける
みょうばんと鉄の部分染め
更に煮出し液に入れる
部分染め媒染した布をさらに煮染め
完成した布を持って記念撮影
はい出来上がり
みょうばん媒染と鉄媒染での染めの比較
みょうばんと鉄の色味

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